1.CT画像診断評価
3)CT画像の情報量
■上顎洞観察
- 上顎洞疾患1
これからいくつかの上顎洞疾患の臨床症例をみていただきます。
- 主訴 左上の歯が痛い、鼻が臭い
パノラマX線写真
- 左側の上顎洞の不透過像から、病変が疑われますが歯性上顎洞炎?.歯性なら原因歯は5番、6番?。
デンタルX線写真
- 5番が歯根破折を起こしていますが。歯根周囲病巣が上顎洞に波及(交通)している?。
*注意)
1.動画を見るには、動画ソフトQuicktimeが必要です。Quicktimeは、
アップルサイトで無料ダウンロードできます。
2.ネット環境によって、読み込むまでに時間がかかる事があります。
- モニタ診断
CT画像512枚の中から3方向それぞれ1画像を切り取ったものです。従来の画像診断に近いものですがわずか0.2mm厚の画像を透かして見ているのです。
画像512枚をフイルムに焼きつけてみることはたいへん非効率的ですから、おそらく歯科でもこれからモニター診断が多くなっていくでしょう。
モニターの解像度という新たな問題も発生してきており、医療用モニタ―等の高精細でコントラスト性能の高い液晶モニターを診断用に用意しなければならなくなりそうです。
職人肌の強い歯科医師はデンタルX線写真などの単純撮影から優れた頭脳で3次元展開の画像をつくりだしているといわれています。
しかし、この圧倒的な情報量を見ていると、普通の歯科医師にとって、CT画像診断はスクリーニングにこそ極めて有用だと感じています。
- 上顎洞疾患2
- 主訴:右上の歯が響く感じで痛い
上顎右側臼歯部デンタルX線写真
デンタルX線写真は3年前、同様な症状で来院された時に撮影されたものです。右上5、6、7番の歯根が上顎洞に近接しており歯性上顎洞炎に注意が必要な症例です。
- CT画像
- Axial
上顎右側(画像の左側)の7番の頬側根はほとんど歯槽骨の支持がない状態で上顎洞の中に突出している。
- Coronal
右側の6番の口蓋根も同様な状態を呈している。5年程前、歯髄炎を起こし、私が抜髄・根充を行ったのですが、知らないということは強みでもあります、特に注意を払うわけでもなく治療をした記憶があります。
- Sagittal
Axial画面とSagittal画面からは上顎右側7番の頬側根の突出が顕著。
特に歯科的な問題はないので、画像を耳鼻科に情報提供し上顎洞の診査を依頼した。
- 上顎左側デンタルX線写真
同時に撮影した上顎左側臼歯部のデンタルX線写真像も載せておきますので動画との比較をしてみてください。
*注意)
1.動画を見るには、動画ソフトQuicktimeが必要です。Quicktimeは、
アップルサイトで無料ダウンロードできます。
2.ネット環境によって、読み込むまでに時間がかかる事があります。
- 上顎洞疾患3
- 主訴:上顎右6番口蓋側の歯肉が腫れている
Pの急発に似た所見でしたので応急処置をして歯周基本治療を行なっていた、歯肉が変だと勤務医から指摘され、診査すると今度は明きらかに6番部の歯肉腫瘍になっている。
上顎右上臼歯部デンタルX線写真
上顎右側6番頬側遠心根から口蓋根遠心部さらに7番部まで水平に骨吸収像らしき像が広がっている。
5番欠損部、4番周囲歯槽骨には問題がないようにも見える。
- CT画像
- Axial
デンタルX線写真で確認できた上顎右側6番の頬側遠心根と口蓋根だけでなく、7番部にも骨吸収像が現れている。
- Coronal
上顎右側6番の口蓋根は上顎洞との交通はないが7番部の頬側は骨吸収が起きて上顎洞と交通している。
- Sagittal
6番遠心、7番部から上顎洞に交通している
この患者さんは癌センターに紹介しました。手術の結果、上顎右側3番4番6番の抜歯と歯槽骨、上顎骨の除去.7番部の歯槽骨.上顎骨の除去は上顎洞まで及んでいました。
3度目の組織検査で悪性の所見が出たとの報告がありました。
口腔内写真等もあるのですが、ネット上であることと、ケースプレゼンテーションではないので載せることは控えました。単純に画像だけを比較してみてください
*注意)
1.動画を見るには、動画ソフトQuicktimeが必要です。Quicktimeは、
アップルサイトで無料ダウンロードできます。
2.ネット環境によって、読み込むまでに時間がかかる事があります。