infection院内感染対策

b.消毒コーナーでの順守事項

村井歯科の消毒コーナーの様子です。
このコーナーの左側は不潔なものを取り扱うエリアとしてシンク、作業台、オートクレーブ、グルタラール消毒庫、超音波洗浄器、食器洗い器、ハンドピースメインテナンス機などが設置されています。右側は清潔なものを扱うエリアとして自動現像器、寒天印象コンデイショナー、印象材練和器、各種の保管庫などになっています。
しかし、このコーナーはほぼスタッフ全員が入り込むスペースであることと、エリアを分けたとはいえ使用済みの汚染された器具類と滅菌済みの器具類とが極めて近い距離で同居する場所でもあります。
ここでのグローブ着用手指の順守事項をスタッフ全員に周知徹底しておかないと滅菌システムは簡単に崩れてしまいます。
A)滅菌、消毒作業従事者(A)は不潔な器具類に直接手を触れる事ができるグローブ着用方法と、清潔なものを取り扱う時のグローブ着用方法を修得する。
B)それ以外のスタッフ(B)は左のエリアには直接手を触れないようにこのコーナーでの作業をしていきます。

滅菌、消毒作業従事者の順守事項

滅菌、消毒作業従事者はグローブを二重にして作業をこなします。
グローブを二重にする理由には次のようなものです。

  1. 万が一針刺し事故等を起こしても感染する確率を低くできる
  2. 滅菌、消毒以外の業務には外側のグローブだけを廃棄して素早く対応できる
  3. 二重グローブで意識の徹底を計る


グローブが二重のときは不潔なものを直接手で取扱えますが、反対にレントゲンの現像、印象材の練和などはもちろんのこと、滅菌済みの各種保管庫などには一切手を触れることはできません。
滅菌されたものの取り出しや補助業務につくときは外側のグローブを廃棄して内側のグローブを消毒し対応します。

私たちの治療室で行った針刺し事故(突き刺し)の聞きとり調査で、針刺し事故の可能性は消毒作業時に多いことが分かりました。
特に超音波洗浄後の器具の取り出し時に危険を感じたことがあるとの答えがほとんどでした。
このステップに関しては必ず厚手のグローブを装着して作業にあたることになっています。

その他のスタッフの順守事項

滅菌、消毒作業従事者以外のスタッフはレントゲンの現像、保管庫からの器具の取り出し、印象材の練和、グルタラール製剤あるいはオートクレーブからの滅菌済み器具の取り出しなどが自由にできます。
しかし、この人たちは汚染された場所には一切手を触れる事ができません。次の2点に注意して作業をします。

  1. 使用済みの器具類は必ずピンセットを使用して片づける。
  2. 汚染された器具類を取り扱っているシンク、作業台、超音波洗浄器、食器洗い機などには手を触れないようにする、避けられない時は二重グローブにする。