infection院内感染対策

18診療用ユニットの汚染対策

治療ユニットに附属するエアータービン、マイクロモーター、3ウェイシリンジから排出される水や空気を5%羊血液寒天培地で培養した結果です。専門家ではないので詳しいことは分からないのですが滅菌水ではこのようなコロニーが形成されることはないので、治療用ユニット内の水や空気に何らかの微生物汚染が起きていると考えなければなりません。
CDCから発表されている研究の報告から(上)「歯科用ユニットの水質」がかなり劣悪な状態であることが分かります。その原因として歯科用ユニット給水管の特性(システム設計、流速、材質等)が、細菌の成長とバイオフィルムの発生の両方を助長するために、このような数になる場合があるとなっています。

下に記述してあるのは法律で定められた日本とアメリカの水道水の水質基準です。日本とアメリカでは対象となる細菌や培養条件の違いがありますが、問題なのは治療ユニットを経由した水と水道水直接では微生物的水質いわゆるコロニー数(CFU/ml)で大きな違いが出ることです。「公衆衛生上の問題を示す疫学的な証拠はないが、歯科ユニット給水管内に相当数の病原体が存在することに関心を持たなければならない.微生物的な水質が不明な水に患者や歯科医療従事者が暴露することは、健康への悪影響の記録はなくとも、一般に認められた感染対策の原則と矛盾する」となっています。しかし、その歯切れの悪さは、この問題がアメリカでも対応の難しい問題であることを想像させます。ここでは以下の4点から今行っている対応を述べていくことにしていきます。

  1. ユニットに附属したハンドピース類への逆流
  2. 給水管路のチューブ内にバイオフィルムが形成される
  3. ユニットからの給水の残留塩素濃度が著しく低下してしまう
  4. 滅菌水外部供給機器の利用